国は原発事故の賠償スキームを参考に休業補償せよ

福山哲郎・立憲民主党幹事長
福山哲郎氏=岡本同世撮影
福山哲郎氏=岡本同世撮影

 新型コロナウイルス感染者の数が減少してきているのは、ひとえに国民の努力の賜物(たまもの)だ。経済活動を自粛し、移動を我慢し、多くの人が苦しい生活を強いられている。国の自粛要請は感染拡大防止に必要なことではあるが、自由主義経済の前提を崩すことであり、国が一定の休業補償をするのは当然だ。だが、国は自粛による影響額の算定の難しさなどを理由に休業補償に応じない姿勢を崩していない。旧民主党政権は、東京電力福島原発事故の際、損害範囲の判定に関する指針を作成し、きめ細かい被害算定を行い、原子力損害賠償・廃炉等支援機構を通じて資金を投入するなど、責任を持って賠償に応じた。この原発事故のスキームを参考にすれば、新型コロナへの休業補償もできるはずだ。

 政府の自粛要請のもと、飲食業や観光業、エンターテインメント産業など幅広い業種で売り上げが大幅に減少している。雇用が継続されるかどうか厳しい状況の人や、「コロナ後」も事業を継続するか、廃業するかの選択を迫られている事業者も多い。

この記事は有料記事です。

残り2023文字(全文2457文字)

立憲民主党幹事長

1962年生まれ。大和証券などを経て98年参院選で初当選。旧民主党政権で副外相、官房副長官などを歴任。2017年から現職。参院京都、当選4回。