ようやく始まった国会の代表質問では立憲民主党と共産党から、杉田水脈議員発言について、そしてフラワーデモが発起人となった13万6000通(当時)の署名を自民党が受け取り拒否したことについて質問がなされました。
それに対して菅総理からは、署名については「国会議員の出処進退は自ら判断するもの」とのことですが、性犯罪・性暴力については「決して許されるものではなく、実態を踏まえつつ適切に対処していく」との答弁がありました。
一方で、自民党本部に宅配便で送っていた署名は、11/2付で「受取辞退の為」として返送されてきました。
また、同党野田聖子議員には性暴力被害の「実態」を知っていただくため、面談ではなくフラワーデモへの参加をお願いしていましたが、10/30付メールで「デモへのお伺いは致しません」との返信があったため、フラワーデモからは以下のようなメールを改めて送りました。
以下全文です。
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野田聖子議員
先日来、杉田水脈議員の辞職、発言の謝罪・撤廃を求める署名の受け取りでやりとりをさせていただいておりましたフラワーデモの呼びかけ人の北原みのりと申します。13万8千筆の声があるという事実を受け止めていただきたい思いでおりましたが、署名を受けとっていただけず残念に思います。
野田議員にフラワーデモに足を運んでいただきたいのは、性暴力に抗議する47都道府県にまでひろまったデモの現場で、何が語られているか、なぜ杉田水脈議員の発言にこれほどまでの悔しさを多くの人々が味わったかを、ぜひ聞いていただきたかったからです。当事者の声こそ、性暴力被害者救済のために実効性のある政策の取り組みに向けて必要なものなのではないでしょうか。
性被害者はこれまで語れない、と言われてきました。それは杉田議員が自民党内の会議で語ったように「女性は嘘をつく」といった社会の偏見や性差別的視線に、「どうせ語っても信じてもらえない」と沈黙と諦めを強いられていたからです。語れないのではなく、社会の側に聞く力がなかったことが、性暴力問題が語られず、被害が矮小化され、被害者の尊厳を軽視した政治、法律、社会を持続させてしまってきた最大の理由です。
中長期の性被害者が抱える困難、障害者に向ける性暴力など、今の性暴力被害者支援の枠組みでは不十分なものがフラワーデモの現場でも次々に語られています。そのような声を文字通り命を削りながらあげ続けることで、フラワーデモでは性暴力に対する世論を喚起し続けてきました。
衆議院議員会館で野田議員の部屋でお話することも考えましたが、杉田議員の発言で精神的に強いダメージを受け、体調を崩している被害者は少なくありません。被害者が自らの人生を削るように運動することにも限界があります。被害者にこれ以上の抗議や行動を促すのではなく、どうか議員自ら被害者の場に足を運んでいただくよう改めてお願い申し上げます。政治で救うべき本当に痛み苦しんでいる人の声を、ぜひデモの現場で聞いていただくことこそ、署名を受けとっていただけなかった今、私たちが野田議員に望んでいることです。
フラワーデモはどの政党と組むこともなく、団体の動員もせず、女性たちのつながりで広がってきた運動です。当日は野田議員にスピーチなどを求めるものではありません。現場の声を聞いていただきたい一心です。お返事お待ちしております。
フラワーデモ 北原みのり
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私たちはこれまでと変わらず、今月11日に全国でフラワーデモを行います。