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2050年のメディア

文藝春秋で長くノンフィクションの編集者を務めた下山進氏が「2050年のメディア」を展望します。

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第38回 部数を伸ばし続ける唯一の週刊誌 英『エコノミスト』の秘密=下山進

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ダニエル・フランクリン。エコノミスト誌エグゼクティブエディター。エコノ ミストは毎年年初にその年の様々な分野の予測をのせる「World In 」という年 刊誌を出しているが、その編集長を2003年から2019年まで務めた。
ダニエル・フランクリン。エコノミスト誌エグゼクティブエディター。エコノ ミストは毎年年初にその年の様々な分野の予測をのせる「World In 」という年 刊誌を出しているが、その編集長を2003年から2019年まで務めた。

<Susumu Shimoyama “MEDIA IN 2050”>

 週刊誌は世界的に退潮を続けている。

 私がコロンビア大学のジャーナリズム・スクールに留学していた1993年には、アメリカには3つのニュース週刊誌が毎週しのぎをけずっていた。

 が、このうち『USニュース・アンド・ワールド・レポート』は2011年に、紙の雑誌の発行をやめた。ワシントン・ポスト社が発行していた『ニューズウィーク』は、2007年には300万あった部数が、2011年には半分になり、ポスト社はたった1ドルでシドニー・ハーマンという実業家に売却を決める。その後オーナーが転々とし、2018年には、当時所有していたIBTメディアがマンハッタンの検事局から不正経理で捜査をうけたという体たらくだ。王者『タイム』も部数を維持できず、2018年には刷り部数を300万部から一気に200万部に減らすというおおなたをふるっている。

 日本の週刊誌もまったく同様で、この『サンデー毎日』ももちろん例外ではない。

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